様々な人間との色々な会話

在りし日の僕と僕以外の誰かの会話

思う事が在り、丁度、ゴールデンウィーク付近の時期に様々な人間と会う機会が在り色々な話を行なったので抜粋してみる。

「僕は君の事を誤解していたよ」
「急に何の話だい?」
「僕が、君を、正しく、認識、していなかった、という話だよ」
「その程度は理解しているよ。ではなく、急に何故そのように思ったのか、という事だよ」
「何故と言われても急に思い付いたものだからね。急な話にもなるだろう?それとも前置きでも必要だったかな?僕は今から君に対しての認識違いについて思い当たる節が在るので話すよ、とでも」
「必要無いよ。それにしても思い付き、ね。唐突だけれど思い付きなんてものは唐突なものなのかな。それで?」
「僕は今まで君の事を真面目で寡黙でもなく雄弁でもなく、形式的な会話を得意とし絶対に自分の欲望を口にしない型だと思っていたのだよ」
「つまり君は僕の事を不真面目で黙れないわりには弁舌幼稚で、雰囲気を読んだ会話が苦手で欲望を口から垂れ流している、というように認識し直したという事だね?」
「そこまでは言っていないよ。確かに今まで、と言ったけれど今までの認識から全面訂正を行なったわけではないのだから。大幅な変更が在った事は事実だけれどね」
「大幅な変更、ね。僕の事を知れば知る程に認識変更を行なうのは君に限った話ではないらしいよ」
「と言うと、君は頻繁に初対面の時の想像と違うと言われているのかな」
「結構な頻度で言われているような気がするよ。僕に言われても困るのにね」
「そうなのかもしれないね。確かに言われた本人は困るかもしれない。けれど、それでも聞いてほしいのだろう。他でもない本人に。それも余りに想像と違うからだろうね」
「初対面の想像と違うなんて不思議な事でもないだろうに」
「不思議な話ではないけれど、それにも限度が在るよ。過ぎれば言いたくもなるのだろうよ」
「本人に?」
「本人に」
「そんなものかな」
「そんなものだよ」


これも一つの話。