様々な人間との色々な会話

在りし日の僕と僕以外の誰かの会話

思う事が在り、丁度、ゴールデンウィーク付近の時期に様々な人間と会う機会が在り色々な話を行なったので抜粋してみる。

「君は珍しいよね」
「珍しい?何がかな?」
「その年齢で家が好きな事が、だよ」
「全然珍しくないよ。引き篭もりやニートなんて今更な事だろう?」
「しかし君は引き篭もりでもニートでも無い。社交性が無いわけでも付き合いが悪いわけでもない。にも関わらず家が好きと言う。そこの微妙で些細なずれは何かなと思ってね」
「単純に疲れるんだよ。僕には体力や気力が無いからね。それに家なら何時でも眠れるからね」
「疲れる、ね。もしかして君は凄く気を遣う性質なのかもね」
「そうなんだよ。いや、君の見る目には恐れ入った。普段から僕は凄く気を遣って生きているんだよ」
「そういうような事を言うから、そういうような態度を採るから誰も君が気を遣っているとは思わない。それも君の思惑通りなんだろう?気を遣っていると思われないように気を遣う。大抵の人間は相手があからさまに気を遣えば遠慮してしまうものだからね。それを回避する為に気を遣っているように感じさせない。相手に負担を掛けないように。僕が言うのも何だけれど素敵な思惑と素晴らしい技術だと思う。君は実は優しいのかな」
「そんな事はないよ。僕は自身の思うままに行動しているだけだよ」
「思うまま、ね。それは優しさの主観と客観の差異だよ。けれど、だからこそ忠告しよう。その行為は負担が大きいよ。大き過ぎる。君は確かに優しいけれど、それは他人に対してで自分に対しては優しくない。君は自分の事が疎か過ぎる。もう少し自愛しないと何時か君が耐えられなくなるよ」
「そうかな。そんな事はないよ。そもそも僕は自愛の極致に居るような人間だしね」
「何だか自分なんてどうでも良いという感じだね。君は自分自身が嫌いなのかな」
「いやいや、僕程に自身の事が好きな人間なんて数えるくらいしか居ないよ」
「という口上で本心を偽る。僕が気付くくらいなのだから君が気付かないわけはない。にも関わらず君は自分を大事にしないのだね」
「君が僕の話を理解していないか、極度に曲解しているだけだよ」
「頑固だね。良いさ、そういう事にしておこうか。けれど、これだけは言わしてもらう。君は君が考えている程に罪を犯したわけではない。君が自分を罰する理由なんて無いんだよ。君は悪くないのだから」
「それは悪の概念次第だね」
「概念なんて個人の思考次第だからね。それにしても強い意志や思考も時には害悪に成り得るという見本のようだね」


これも一つの話。