始まりと終わりの間

始まりを知らないと楽しめないという人間が居る。それは小説だったり音楽だったり演劇だったりと対象は種々様々だろうけれど楽しめないと言う。
けれどそのような人間はこの世の始まりなぞを知らなくとも十全にこの世を楽しんでいる。自分の人生の始まりなぞを知らなくとも充分に人生を楽しんでいる。


始まりを知らなければ楽しめないと言葉が本当ならば少なくともその人間に人生を楽しむ事は不可能。始まりなんぞ誰も知らない。