睦み合う因と縁、絡み合う運と命

僕が未だ中学校に通っていた頃の知り合いに遭遇した。
そんなに親密な関係ではなかったけれど何かと縁の在る人だった、ようだ。部活が同じだったり習い事が同じだったらしい(ちなみに部活も習い事も地元では大して人気の無いものだった)。正直、僕は同じ部活だった事や習い事を今でも思い出せないけれど。
これにとても驚いた。
例えば街中で歩いていて偶然に遭遇したなどだったら僕は驚かなかっただろう。大人になれば自然と行動範囲は広がるものなのだから。例えばイタリアへ旅行に行った時に現地で同級生に遭遇したとしても今回の遭遇程には驚かなかっただろう。旅行で行くような有名な都市ならば誰が行っても驚く事はないのだから。
今回の遭遇はわけが違う。
空き巣泥棒の為に入った家で他の泥棒に遭遇し折角だからと更なる技術向上の為に相手と話していたらその相手が同級生だったと気付いた場合のような驚き。他の喩えが思い付かないので記したけれど僕は上記のような経験をした事は無い。想像で、だけれど。
何かと縁の在る人だったけれど、こんな年齢になってこんな場所でまで縁が在るものなのかと思った。


それまでは丁寧な態度と口調だったのにも関わらず僕だと気付いた瞬間に態度が崩れた。やはり営業状態の人間相手に油断は出来ない。