風と共に

台風の雨風が段々と強くなってきた午後、僕の使用していた傘が壊れた。完全使用不可能という程ではないけれど不便で仕方ない。特に機関銃の連射のような今日の雨を防ぐのに壊れた傘では効果が薄い。止む無く新しい傘を買いに行く。しかし何故に傘とはあそこまで高いのだろう。一万円を余裕で越える傘が多い。傘に一万円も出したくないのでその半額程度の傘を探して購入。今までの物よりも多少大きい物を選択。これで今まで以上に雨を防げる、と思ったけれど風が強過ぎて大した変化無し。台風の時には傘ではなく合羽かもしれない。土砂降りでびしょ濡れになりながら、そう思った。
帰宅後、今夜から朝方くらいが通過時期と知る。未だ未だ距離が在る昼間であの風の強さならば通過時はどうなるのだろう。新しく買った大きい傘ならば飛べるかもしれない。遠く何処までも。遠く遠く何処までも何処までも。
なんて考える僕はそろそろ切羽詰っているのかもしれない。現実逃避願望が強くなってきているような気がする。