漫言

僕は魂の敗北をするくらいならば死んだ方が良いと思っている。僕は精神が折れるくらいならば死んだ方が良いと思っている。
僕は僕以外の何者にも降伏しない。僕は僕以外の何物にも服従しない。僕の主は僕以外には存在しない。
降伏しないという事、服従しないという事は諦めないという事だ。
例えば恐怖、例えば快楽、例えば憤怒。それらは僕を脅かすものではあるけれど僕の主にはさせない。させたくない。僕は恐怖に屈しないし快楽に溺れないし憤怒に我を失わない。屈したくないし溺れたくないし失いたくない。
常に沈着冷静、怜悧冷徹とはいかないだろうけれど、それでも諦めるつもりは無い。
でも同時に諦めたならば楽になるのだろうかとも考える。根拠は無いけれど諦めるだけで様々な事柄から解放され楽になるのかもしれないと考える。考えるだけで諦める気は無いけれど。
諦める事が悪い事だとは思わないし問題が在る事だとも思わない。それも幾つかの選択肢の中の一つだし幾つかの方法の一つだから。
ただ僕には出来ないというだけだ。僕は諦めた自分自身に我慢出来ない。ただ、それだけ。
諦める振りをして虎視眈々と機会を窺うのが賢いのだろうけれど不器用な僕にはそれも出来ない。