見たのは今年は初めてじゃないかな

僕は基本的に眠るのに苦労しない種類の人間なのでベッドに入ってから即座に眠れるのだけど稀に即座に眠れない場合が在る。そういう場合でも真っ暗な闇の中で自分が落ちて行く図(上も下も分からない中で落ちて行くというのはおかしいけれど兎に角そういう感覚)を想像すると大抵はそのまま眠れるのだけど極々稀にそれでも眠れない場合が在る。すると目を瞑った暗闇の中に浮かぶ図が在る。
一面の壁にパイプ管やケーブルの類がびっしりと犇めきあっている図。しかもギーガ―(確かエイリアンのデザインをした人だったと記憶している)の描きそうな感じで妙に生々しく、てらてらと鈍く光を反射しながら壁やらパイプやらが個々にゆっくりと重々しく脈を打っている。
生理的嫌悪感を呼び起こされる模様が瞼の裏で展開され始めると僕は嫌悪感と同時に興味も湧くので細部がどのようになっているのか確認しようとするのだが、何故か霞みかかったようにしっかりとは観えない。そうこうしている内に何時の間にか眠っている。
瞼の裏側の模様を見ているのか僕が暗闇から連想するものを想像しているのか他の理由によるものなのかは分からないけれど、結構気持ち悪いものなので可能な限り見たくはない。かといって安眠効果の高いものを使用して今以上に眠っても困る。単純に疲れるのが一番良い方法なのかもしれない。