極小範囲

僕は物を他人に貸すのが物凄く嫌だ。嫌いという感情ではなく嫌だという意思。金は平気なのだけれど物が嫌。所有権を保持したままで他人に物を貸すというのが嫌。物を他人に貸すくらいならば譲渡する方が良い。
物を他人に貸せば意図的ではなくとも壊されてしまうかもしれないし、失われてしまうかもしれない。何時に返すと言われても約束は守られないかもしれない。その物が関係した問題が発生した時に僕自身は関係無くても所有権を持つという理由で問題が関係するかもしれない。そして物を壊された時、失われた時、問題が発生した時などに僕は物を貸した相手を恨んでしまうかもしれない。勿論、これは全くの見当違いの話で恨むならば物を貸す事を決定した僕自身を恨むべきなのだけれど。そのようにあれこれと考えると異常に神経を使う。耐久力の低い僕には相当な負担。
金は返ってこなくても相手との付き合いを考えれば良いだけで済むが物はそうもいかない。金は交換されてこそ金の価値と意味を発揮するが物は交換しないでも価値と意味を発揮する事が出来る。これが問題。
それに比べて譲渡すれば僕には一切合財関係が無い。壊されようが失われようが所有権保持者の問題で在る。当然所有や譲渡=問題な物は論外。
もしかしたら覚えていないだけで他人に何かを貸して嫌な思いをした事があるのかもしれない。それだけでなく同時に複数の事柄を行なうのが苦手な僕は他人に貸した物の心配までしている余裕は無い。僕の心の許容量は狭い。