アリとキリギリス

わりと有名な御伽噺のアリとキリギリス。弟と会話をしていて知ったのだが僕の家には幾つかのパターンが存在していたよう。どうりで僕はアリとキリギリスの最後の記憶が曖昧になっていたわけだ。

あるところに働き者のアリと怠け者のキリギリスが居た。季節は夏。アリは来るべき冬に備えて食料を集めたり家の防寒対策をしたりと必死で働いていた。一方、キリギリスは好きな音楽を奏でて遊んでばかりいた。アリは言う。「キリギリスさん。遊んでばかりいると冬になった時に困ってしまうよ」キリギリスは答える。「大丈夫だよ、アリ君。なんとかなるさ」そして冬が来た。

ここで分岐するらしい。

パターン1
キリギリスは食料が無くなって困ってしまったのでアリの家に行く事にした。「アリ君アリ君。食べ物が無くなってしまったんだ。少し分けてくれないか?」キリギリスはそう言ってアリの家の扉を叩くが返事が無い。仕方が無いので扉を開けるとアリは働き過ぎが原因で過労死していた。キリギリスはアリの食料を食べ冬を越えた。

パターン2
キリギリスは食料が無くなって困ってしまったのでアリの家に行く事にした。「アリ君アリ君。食べ物が無くなってしまったんだ。少し分けてくれないか?」キリギリスはそう言ってアリの家の扉を叩くがアリは扉を開けないまま言う。「キリギリスさん。だから言っただろう、困ってしまうってさ。自業自得なのだから自分で何とかするんだね」キリギリスは食料が無かった為に飢餓で死んでしまった。

パターン3
キリギリスは食料が無くなって困ってしまったのでアリの家に行く事にした。「アリ君アリ君。食べ物が無くなってしまったんだ。少し分けてくれないか?」キリギリスはそう言ってアリの家の扉を叩くが返事が無い。仕方が無いので扉を開けようとしたが鍵が掛かっていて開かない。「開けてくれよ、アリ君。このままだと死んでしまうよ」そう言ってもやはり扉は開けられなかった。アリは働き過ぎが原因で過労死していた。そして扉を開けられなかったキリギリスも食料が無かった為に死んでしまった。

パターン4
アリは夏の間に貯めていた食料を少しづつ食べながら生活をしていた。アリはキリギリスが心配になったので様子を見にキリギリスの家を訪れた。キリギリスは夏に奏でていた曲が大ヒットし大金持ちになり相変わらず遊んで暮らしていた。キリギリスは言う。「だから言っただろう、アリ君。何とかなるってさ」

一体どれがアリとキリギリスの物語の終焉なのか。