中途半端というのはわりと疎まれるものだと思う。それは僕が中途半端は良くないという類の言葉を頻繁に耳にするからで、だけど僕は中途半端というのも悪くないと考えている。中途半端ってのもバランスだと思うからだ。
バランスが良いって事は少なくともバランスが悪いというよりは生きていくのが楽だし選択肢の幅が広がると思う。
例えば何をやらせても大した事はないけれど料理だけが天才的に上手な人が居るとする。
仮にこの人が一流と呼ばれる大学を目指して必死で勉強をしたとしてもおそらく不可能だろう。それどころか必死で勉強し続ける事さえ難しいだろう。自分が成長しているという結果を出せてない(=自分で自分の成長を確認出来ない)のに努力し続けるのはとても困難だからだ。
ではこの人が料理を生業とする職業を目指した場合はどうか。この人は一角の人物になり、世界的に絶賛されるようになるかもしれない。しかし、その場合でもこの人は努力している事だろう。そして結果が出せてしまうからこそ、努力し続けるだろう。努力し続ける事自体には問題無い。だけど何か一つの事柄に集中し努力し続けるという事はそれ以外の事が疎かになるという事で、当然生きていくのも困難になる。しかも、そうなってしまったら他の職業選択なんてしないだろう。今まで一つの事柄に対して努力し続けていたのにという今更感があるからだ。
そもそもこの人が料理を生業として選択するかどうかは分からない。純粋に生業の選択肢としたら料理に関係しないものの方が圧倒的に多い。それでももし選択したのだとしたら、自分にはそれ以外に大した事が出来ないと思ってしまったからかもしれない。周囲の人達に薦められたかもしれない。確かに決定したのは本人だ。しかし、それは本当に選択したと言えるのだろうか。選択させられたと言うべきではないだろうか。
中途半端が悪いみたいに言われているけれど、僕や僕以外の大勢の人達が中途半端だからこそ人間は集団を維持出来ていると思うのは僕の思い違いなのかな。

要するに、何を言いたかったのか忘れてしまったけれど僕は中途半端なので許してほしいという言い訳。