主題は処理ではない

在りし日の僕と僕以外の誰かの会話
「この問題の原因は僕等に在ると思うのだよ」
「僕もそう思うよ」
「だから僕と君のどちらかがこの問題を処理するべきだと思う」
「僕はそう思わないね」
「君はこの問題が他人に迷惑になると思わないのかい?」
「なるだろうね。確実に迷惑になる。けれどね。僕は他人の迷惑になろうとなるまいと今更この問題を処理する気は無いよ」
「君も原因の一人だろう。僕等が原因の問題が他人の迷惑になっているのだよ。それを放置して僕等以外の人間に処理させようというのかい?」
「確かに原因は僕等だ。けれど問題は既に僕等だけの問題ではない。そして僕以上に問題の処理に相応しい人間が居る。僕の出る幕など無い」
「そう言って逃げるつもりかい?君は最低だな」
「ふふ。そうかもしれないね。けれど、そういう君はどうなのだい?何故に僕等が原因の問題だと言いながらも僕等二人で処理しようとは言わない?何故に僕等のどちらかが処理しなければならないと言いながらも自分で処理しようとしない?君は『僕等が』と言いながらも自分ではなくて相手に行なわせようとしているだけだろう?それも問題が露見した今になって。真に問題を処理しようと思うのならば露見する前に処理しておくべきだろう?にも関わらず露見した後になって、しかも自分で行なうのではなく僕に行なわせようとして。あわよくば自分は一切の労力を払わずに問題を処理する気が在ったという姿勢を示そうとでもしているつもりなのかな。まぁ君が如何なる理由によって今更に問題の処理を行なおうとするのかなど僕にとっては興味無いし心底どうでも良い。けれど自分の考えに僕を巻き込まないでほしいね。君には君の考えが在るのだろうけれど僕には僕の考えが在るのだよ」
「もう良いよ。僕が行なう。君は最低だな」
「最初からそうしたまえよ。僕などを巻き込まずにね」